日本家政学会誌
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納豆の粘質物に関する研究
大西 礼子阿部 啓子本間 清一相田 浩
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1987 年 38 巻 10 号 p. 871-876

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抄録
本実験では, 実際に大豆を蒸煮し, Bacillus natto IAM1114 菌を接種し, 納豆を製造して粘質物全体を対象にして実験を行い, 以下のような結果を得た.
1) 粘質物の大部分は粗タンパク質であり, 培養後17時間で約60%, 48時間では約80%を占めていた.糖量は非常に少なく1%程度であった.
2) 納豆の粘質物の粗タンパク質はそのほとんどがペプチド態であり, 遊離アミノ酸は少なく, 最高でも約30%にすぎなかった.
3) 粘質物の粗タンパク質のアミノ酸組成は大豆のそれとほぼ類似しており, グルタミン酸含量が最も高く, 約20%を占めていた.
4) 粘質物中にはD-グルタミン酸が多量含まれ, 48時間培養後にはポリグルタミソ酸の77.9%を占め, しかもそれらは高分子ペプチド態で存在していた.
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