日本家政学会誌
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38 巻, 10 号
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  • 長野 宏子, 大森 正司, 庄司 善哉
    1987 年38 巻10 号 p. 865-869
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    小麦粉製品の膨化に関して昔から, 伝統的に酵母以外の微生物と考えられるものが, 日本の一部で用いられてきた.このように蒸し物として中国料理で用いられ, また秘伝とされている発麺 (スターター) を聴聞により調製することを検討し, 饅頭をつくることが可能となった.1) 発麺発酵条件を検討した結果, 水を用いるよりも, リンゴ浸漬水を用いるほうが, スターター (発麺) を調製するのに適していた.また, 発麺の調製条件は, 30℃で4時間を要した.
    2) 発麺を用いて饅頭を作るための, 2次発酵時間は, 30℃で4時間を要し, また発麺の小麦粉に対する割合は, 5~10%でよかった.
    3) 発麺とパン酵母を用いて饅頭を作り, 官能検査をした結果, 有意差はなかった.とくに発麺を用いた饅頭は酵母臭がないものであった.
    4) 発酵ドウ中の微生物を光学顕微鏡で観察した結果, 桿菌のみが存在し酵母は存在しなかった.
  • 大西 礼子, 阿部 啓子, 本間 清一, 相田 浩
    1987 年38 巻10 号 p. 871-876
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本実験では, 実際に大豆を蒸煮し, Bacillus natto IAM1114 菌を接種し, 納豆を製造して粘質物全体を対象にして実験を行い, 以下のような結果を得た.
    1) 粘質物の大部分は粗タンパク質であり, 培養後17時間で約60%, 48時間では約80%を占めていた.糖量は非常に少なく1%程度であった.
    2) 納豆の粘質物の粗タンパク質はそのほとんどがペプチド態であり, 遊離アミノ酸は少なく, 最高でも約30%にすぎなかった.
    3) 粘質物の粗タンパク質のアミノ酸組成は大豆のそれとほぼ類似しており, グルタミン酸含量が最も高く, 約20%を占めていた.
    4) 粘質物中にはD-グルタミン酸が多量含まれ, 48時間培養後にはポリグルタミソ酸の77.9%を占め, しかもそれらは高分子ペプチド態で存在していた.
  • 桐渕 壽子, 川嶋 かほる
    1987 年38 巻10 号 p. 877-887
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 未加熱の調理においては, 一部の食品を除いては, 総アスコルビン酸量はほとんど変化がなかった.アスコルビン酸酸化酵素を有するものはただちにデヒドロアスコルビン酸に酸化されるが, それ以上変化することはなかった.
    2) 大根と人参の “もみじおろし” の場合も酸化型になってしまうが, 総アスコルビン酸量には変化はなかった.
    3) 馬鈴薯を加熱調理したさい, 高温急速加熱ではアスコルビン酸はほとんど変化せず残っていた.比較的低温で長時間 (140℃, 60分) かけて焼くと, 約60%は分解された. “ベークドポテト” は総アスコルビン酸は約50%残存し, 大きめの馬鈴薯 (約200g) を1個食べるとアスコルビン酸の1日の所要量をほぼ満たす.
    4) 馬鈴薯をゆでた場合, 馬鈴薯のほうには約50%残存し, ゆで汁への溶出は約10%で, 他の葉菜類に比べると溶出量は少ない.30~40%は分解されていた.
    5) キャベツやピーマンをゆでた場合, ゆで汁と合わせると, 総アスコルビン酸量はほとんど変化していなかった.また油いためも同様, 分解はみられなかった.
    6) 酸化型の生理学的効力もレアスコルビン酸と同等とみなすと, 総じて, 調理による損失はきわめて少ないといえる.
  • 小島 しのぶ, 宮崎 幸恵, 加藤 保子
    1987 年38 巻10 号 p. 889-894
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    1) 短大生33世帯を対象として, 揚げ油料理の嗜好性, 献立にのせる回数, 揚げ油の保存方法, 使用方法などについてアンケート調査をし, かつ, 同世帯で使用中の揚げ油を入手し, それらの劣化度を測定して, 実際に使用中の揚げ油の性質を明らかにすることを目的とした.
    2) 調査対象世帯のうち, 2世帯構成世帯が83.3%を占め, 主婦の就業率はパートを含めて67.6%であった.また, 揚げ物料理に対する嗜好性は強く, 週1~2回以上献立にのせる世帯が77.8%であった.
    3) 使用中の揚げ油の劣化度を, 酸価, カルボニル指数, およびTBA価の3種の方法で検討したところ, どの値でみても, 未使用の対象揚げ油にくらべて, 有意に高いものであった.しかし, 33検体の酸価, カルボニル指数, TBA価の平均値は, それぞれ0, 45, 25.0および19.5であって, 使用中の揚げ油としては, かなり劣化度の低いものであった.
    4) 揚げ油の使用方法, 保存方法としては, 「使用のたびにさし油をしながら用い, 適宜新しい油に取り替える」, 「使用後の揚げ油は, オイルポットに移して保存する」方法が, 5割以上の世帯で行われていた.
    また, この33検体に限れば, 揚げ油の酸価は, 着色度が進むに従って, 高い値を示した.
  • スラックス着用動態時の縫目に加わる力 (第2報)
    高山 朋子, 小笠原 堯子, 水代 キヨミ, 宮内 秀和
    1987 年38 巻10 号 p. 895-900
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In this paper, seam tension was measured when women of three different body-types wore slacks made of three different types of fabrics and with different degrees of looseness.
    The results were as follows :
    1) Among the mechanical properties of a fabric, the elasticity affected most on the seam tension. In the case of the fabric that has low elongation (3.9% : elongation at the tension of 500 g/cm), the maximum tension of approximately 200 g/cm was found near the hips, and it was approximately twice as large as the one of the knitted fabric with high stretchability (18.1% elongation).
    2) Concerning looseness added around hips of slacks, the maximum seam tension decreased by about a half when looseness was increased from 2 to 6 cm.
    3) When slacks had the same amount of looseness, the seam tension of the slacks worn by heavyset women was 2.5 to 4.5 times as large as that of the slacks worn by slender women.
  • 大都市ニュータウン在住の雇用労働者夫妻の生活時間と生活様式 (第1報)
    伊藤 セツ, 大竹 美登利, 天野 寛子, 森 ます美, 瀬沼 頼子, 鈴木 敏子, 居城 舜子, 天野 晴子, 上岡 薫
    1987 年38 巻10 号 p. 901-909
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Following our investigation of time use by employed husbands and their wives in Tokyo in 1975 and 1980, we conducted in Oct. 1985 the third survey of couples with children in Tokyo Tama New Town. This report contains the aim, method and outline of our survey.
    The primary purpose of this survey was to understand the influence that long working hours of husbands would have on family life.
    Couples were selected through local newsletter issued by the city government. The total number was 202, out of which 159 were collected and 150 were found to be effective as samples. The families included 70 non-employed wives, 50 part-time employed wives and 30 full-time employed wives. The average age of husbands were 40.7, and wives were 37.3; 68% of the husbands and 40% of the wives had received higher education.
    We will present the outline of our analysis.
  • 大都市ニュータウン在住の雇用労働者夫妻の生活時間と生活様式 (第2報)
    大竹 美登利, 伊藤 セツ, 天野 寛子, 森 ます美, 瀬沼 頼子, 上岡 薫, 鈴木 敏子, 居城 舜子, 天野 晴子
    1987 年38 巻10 号 p. 911-921
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    今回の調査の三つの目的に照らして, 大都市ニュータウン在住の雇用労働者夫妻の生活時間構造の分析を行ったが, それによると, 次のような特徴を指摘できる.
    1) 夫の収入労働時間は, 過去に著者らが行った調査と比較しても非常に長く, それは勤務時間の長さのみならず, 通勤時間がとくに長いことに起因することが明らかになった.とくに夫の平日の収入労働時間が長いことは, 夫の家事的生活時間の増加をはばむのみならず, 平日の社会的文化的生活の絶対的短さに反映し, その内容を貧しいものにしている.さらに夫の平日の収入労働時間の長さは, 妻の家事分担度を高めている.
    2) 著者らの3回の調査は「国連婦人の10年」の節目, 節目に行われたが, この10年, 東京都の雇用労働者夫妻の平日の家事的生活時間に変化はなく, 性役割分業が固定化されたままである.
    3) ニュータウンに住む対象者の生活時間上の特徴は, 収入労働時間, 家事的生活時間にみられるもののほか, 社会的文化的時間において, (1) 平日の無職妻の時間内容が豊富なことと社会的活動時間が長いこと, (2) 休日の夫の運動・散歩, 娯楽が比較的長いこと, (3) 常勤夫妻の読書, 運動・散歩, 社会的活動一般の時間量が類似しているところに特徴がみられるなど, それぞれに今までの調査と異なる新しい動きが感じられた.
  • 妻鹿 絢子, 三橋 富子, 田島 真理子, 荒川 信彦
    1987 年38 巻10 号 p. 923-926
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 早渕 仁美, 村上 祥子, 井上 厚美
    1987 年38 巻10 号 p. 927-933
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    食事調査や献立の栄養計算に必要な食品を, 調理用素材の面から分類して, 食品コード表 (HMコード表) を試作した.食品は四訂日本食品標準成分表を基礎にしているが, 出現頻度を考慮して選択, 追加, 配列した.表は以下のような特徴をもっている.
    1) 表裏1枚の見やすい表である.
    2) 食品は4けたの数字 (コード) で表され, 上2けたは食品の小分類番号になっており, 下2けた00番は細かい食品名が不明な場合などに, 代表食品として使えるようになっている.
    3) 表中の食品名はできるだけ身近な名称にし, 一般的な市販調理食品や外食も加え, 索引を設けて捜しやすいようになっている.
    3,728名の食事調査結果から, HMコード表は食品の出現頻度をよく反映していること, 19,775品の料理をチェックすることにより, メニュー管理に必要な調理素材もカバーしうることが確かめられた.
    HMコード表を使用することにより, 食品のコード化に要する時間が短縮され, 精度も高くなった.
  • 松島 千代野
    1987 年38 巻10 号 p. 939-944
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 石毛 フミ子, 中濱 信子, 江澤 郁子, 酒井 ノブ子, 池田 揚子, 松下 幸子, 佐野 恂子, 飯田 範子, 渡辺 彩子, 大鹿 淳子 ...
    1987 年38 巻10 号 p. 945-959
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 1987 年38 巻10 号 p. 966
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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