日本家政学会誌
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-20℃における不凍水の測定法の開発とその糖類溶液への応用
野口 駿中沢 文子高田 昌子高橋 淳子
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1987 年 38 巻 4 号 p. 261-265

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抄録

パルスNMRを用いて-20℃における不凍水量を測定する方法を考案した.この方法は-20℃におけるFIDの運動性プロトンが不凍水のプロトンのみに由来し, 32℃での運動性プロトンは溶液の全プロトンに由来するものとして, 両温度における運動性プロトンの比から不凍水量を求めようとするものである.
その方法を若干の糖類溶液に応用して不凍水量を測定し, つぎの結果を得た.
1) 不凍水量は含水量とともに増大し, ある濃度を境として減少し, 一定値に近づいた.
2) この高含水量領域における一定値で不凍水量を表すことにすると, グルコースで0.37, フルクトースで0.38, スクロースで0.18およびラクトースで0.16g水/9糖となり, 単糖類では二糖類のほぼ倍であった.

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