日本家政学会誌
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38 巻, 4 号
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  • 野口 駿, 中沢 文子, 高田 昌子, 高橋 淳子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 261-265
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    パルスNMRを用いて-20℃における不凍水量を測定する方法を考案した.この方法は-20℃におけるFIDの運動性プロトンが不凍水のプロトンのみに由来し, 32℃での運動性プロトンは溶液の全プロトンに由来するものとして, 両温度における運動性プロトンの比から不凍水量を求めようとするものである.
    その方法を若干の糖類溶液に応用して不凍水量を測定し, つぎの結果を得た.
    1) 不凍水量は含水量とともに増大し, ある濃度を境として減少し, 一定値に近づいた.
    2) この高含水量領域における一定値で不凍水量を表すことにすると, グルコースで0.37, フルクトースで0.38, スクロースで0.18およびラクトースで0.16g水/9糖となり, 単糖類では二糖類のほぼ倍であった.
  • 漬け込み期間中の含窒素成分の動態について
    伊東 清枝, 新井 映子, 福家 眞也
    1987 年 38 巻 4 号 p. 267-273
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    サワラ生肉を味噌および調合味噌に48, 72および96時間漬け込んで調製した味噌漬け魚肉について, 官能検査と物理的特性値の測定を行った.次いで, エキス成分の調製および分析を行い, 漬け込み期間中の含窒素化合物の動態について検討した.
    1) 官能検査の結果, 最も美味な味噌漬けを得るのに要する漬け込み時間は, 味噌のみの場合には72時間, 調合味噌の場合には48時問程度が適切であることが明らかとなった.また, 味噌および調合味噌に漬け込んだ魚肉は, いずれも生肉にくらべて硬さが増加した.
    2) 味噌および調合味噌に漬け込むことにより, 遊離ならびに結合アミノ酸が著しく増加した.増加した遊離アミノ酸のパターン類似率を求めたところ, 味噌および調合味噌床との問に, 高い類似率が得られた.したがって, 増加した遊離および結合アミノ酸は, いずれも味噌床より魚肉中に移行したものと考えられた.核酸関連物質を始めとする他の含窒素化合物は, 味噌床中にはほとんど含まれないため, 味噌漬けによる魚肉の呈味向上には, これらの物質の寄与は少ないものと思われた.
  • 笹団子のレオロジー的性質に関する研究 (第2報)
    勝田 啓子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 275-281
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    糯米粉と粳米粉の配合比, 加水比別団子の力学的性質を調べ, 以下のような結果を得た.
    1) 団子の粘性率, 弾性率は, おおむね糯団子の値より粳団子の値のほうが高い値を示し, 加水量の増加とともに減少する傾向がみられた.しかし, 糯米粉と粳米粉を混合した場合, フック体の弾性率以外の粘性率, 弾性率は必ずしも粳米粉 (すなわちアミロース) 含量には比例しなかった.
    2) フォークト体の粘性率と弾性率そしてニュートン体の粘性率は糯団子の値がかなり高く, 粳米粉が混入されると大きく減少した後, 糯米粉の配合比が高くなるに従って増加した.
    3) 塑弾性体の弾性率の糯・粳の差は顕著で, 糯米粉が50%以上の団子は, 加水量増加とともに弾性率が減少したが, 粳米粉含量が60%以上の団子は加水量に比例して弾性率が増加した.
  • 粘弾性測定値と官能評価との相関分析
    勝田 啓子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 283-291
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    0~60, 60~100,100~150,150~200,200~250,250メッシュ以上の6段階に飾別した米粉を使用して団子を調製し, 粘弾性測定と官能検査を行い, 以下のことが判明した.
    1) 米粉の粒子が細かくなるに従って, 団子調製時に必要な加水量が増加した.上記の各区分の最適加水量は粉1009に対して, それぞれ 65~70, 70~75, 75~80, 80~85, 85~90, 90~95mlであった.
    2) 塑弾性体の弾性率を例外として, すべての粘性率, 弾性率は米粉の粒子が細かくなるに従って減少した.また塑弾性体の弾性率は逆に増加した.
    3) 団子の官能評価では, 粒子の粗い順に硬く, 歯切れがよい, そして粒子の細かい順に粘りがあり, 舌ざわりがよいと判定され, 評点もこの順に高くなっていた.とくに, 硬さの項目はケンドールの一致性の係数が1であり, しかも全サンプル間に有意差が認められ, パネルにとって判定しやすい項目であった。しかし弾力は一致性の係数が0.30と低く, 団子のような試料に対しては判定しにくい項目であった.
    また, 団子は100~150および150~200メッシュの粉で調製したものが好まれることが判明した.
    4) 粘弾性測定値と官能検査との相関分析から, 硬さと粘りはすべての粘性率, 弾性率と高い相関 (r=±0.92~±0.97) を示し, 歯切れはフック体の弾性率, フォークト体の粘・弾性率と正の相関 (r=0.93, 0.93, 0.92) を, また塑弾性体の弾性率と負の相関 (r=-0.92) を示すことが, そして舌ざわりは塑弾性体の弾性率以外の相関係数と負の相関 (r=-0.92~-0.91) を示すことが明らかとなった.また, 弾力も座標軸変換によりフック体の弾性率および二つのフォークト体の弾性率とかなり高い相関 (r=0.81, 0.81, 0.81) を示すが, 実際には弾性率が約6.3×105dyne/cm2を超えると, 弾力は減少することが判明した.
  • モアレ法について
    中保 淑子, 冨田 明美
    1987 年 38 巻 4 号 p. 293-300
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    We examined the validity of application of moiré topography to determine the amount of clearance distances between body surface and weared clothings.
    The subjects tested were one adult female and a replica of her torso made symmetrically on both sides.
    The test clothing were one no ease sample made from true development of real body surface and three samples which differ in grades and types of ease.
    The shapes of each subject before and after putting on test clothings were measured by moiré topography. The position and the amount of clearance are thus determined.
    The X-ray fluoscopic observation was also made for reference to the torso replica.
    The results were as follows :
    1) The clearance distances show different values depend on the measuring points of the body and on the amount of ease of clothings.
    2) The validity to use moiré topography is confirmed, because the results from moire topography and X-ray observation have been similar.
    3) The distribution of clearance distances for live body is observed almost the same as that for the replica. By this and above facts, moiré topography may well give reliable results for the clearance measurement of live body, as long as the experimental conditions are strictly regulated.
  • 平面製図法における原型の形態因子 (第3報)
    平沢 和子, 磯田 浩
    1987 年 38 巻 4 号 p. 301-309
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    青年女子 (18~21歳), 老年女子 (65~75歳) おのおの50名を対象とし, 筆者が設定した平面製図における股ぐりの付与にかかわる形態因子について検討し, 次の結果を得た.
    1) 青年女子のズボン原型のくり幅は腰部矢状径の80%をとると, 着装時には100%になることが図学的に説明でき, これを復元体によって確認した.
    2) 1) の結論から腰部矢状径の80%をくり幅としたズボンを縫製し, 青年女子50名に着装させた実験では, 着装時のくり幅が100~118%に分布することが確かめられ, 推定寸法としては適当であり, かつ安全側であることがわかった.
    3) 股ぐりをもつ原型 (キュロットスカート, ズボン) の股ぐり幅を定める基準寸法としては, 腰部最大矢状径をとる必要がある.しかし青年女子では腰部矢状径と腰部最大矢状径との差がほとんどないので, どちらをとっても結果は同じとなる.
    4) 椅座位姿勢による股上の計測は, 正中縦断面図による計測値にくらべ小さい値となりやすい.とくに老年女子は顕著で, その第1の原因は背もたれのない椅座位姿勢と思われる.
    5) 股ぐりを付与するには, 股上前後の長さは不可決の計測値であるが, この部位の計測は大変むずかしい.とくに老年の場合, この平均値は青年にくらべると4.8cm増加し, 腰囲の増加量にくらべ大きく分散も大きい.したがって股ぐりのある既製服は年齢による変化を考慮する必要がある.
    老年女子の股上前後の長さは中腰囲との相関直線式による推定値を用いれぽ, かなりの一致をみることができる.その相関式は中腰囲をx, 股上前後の長さをyとして, y=0.48x+27.4 γ=0.77 (n=40) である.
  • 二宮 玲子, 樋口 ゆき子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 311-319
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    Curve fitting for the univariate frequency distribution of 18 somatic measurements were examined.
    For some frequency distributions which were not identified as normal distribution, following distributions were tested.
    (1) Lognormal distribution, (2) upper limit Weibull distribution, (3) lower limit Weibull distribution, (4) Johnson system SU, SB and SL distribution, (5) Edgeworth expansion, (6) Gramcharlier expansion.
    Better fitted distribution was given each somatic measurements. For the bivariate frequency distributions, bivariate normality were tested. For the frequency distributions which were not recognized univariate normality, the SU, SB or SL transformation was applied. Seventy-three paires of somatic measurements in 81 pairs were recognized bivariate normality.
  • 石塚 純子, 加藤 雪枝, 椙山 藤子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 321-332
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    It is important for designing of a garment to know how color and silhouette of the garment contribute to the presentation of the garment image. In this report, the impressions of garments were investigated for various combinations of colors and silhouettes.
    A color simulator was used to change the colors of various fashion dresses. The data obtained were evaluated using SD method, then, factor analysis and Hayashi's quantification scaling type 1 were applied.
    The results are summarized as follows :
    The visual impressions of fashion dresses are composed of four factors : evaluation, functionalism, lightness and warmth. The factors of the evaluation and lightness are influenced by both color and silhouette. The factor of functionalism is influenced by silhouette and one of warmth by color.
  • 辻 啓子, 伊藤 きよ子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 333-338
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 辻 啓介
    1987 年 38 巻 4 号 p. 339-342
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 廣嶋 清志
    1987 年 38 巻 4 号 p. 343-347
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 国際的な動向の一考察
    藤枝 澪子
    1987 年 38 巻 4 号 p. 349-353
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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