日本家政学会誌
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新米と古米の若干の理化学性について
米ならびに米デンプンの調理科学的研究 (第13報)
庄司 一郎倉沢 文夫
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1988 年 39 巻 2 号 p. 159-163

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抄録
もちおよびうるち玄米の古米の, 米ならびに米デンプンの理化学栓を明らかにする目的で, 一般成分, 白度, 糖類, ヨウ素吸収, アミ獄グラム, アミラーゼ活性などを調べ, 新米の米ならびに米デンプンとそれらの諸性状について比較した.
1) ヨウ素の最大吸収波長は, もち米ではみられなかったが, うるち米では590nm付近にみられ, 吸収強度ではもち米は低く, うるち米は高かった.また, もちおよびうるち米とも, 古米になると吸収強度が若干低下した.
2) アミログラムからは, 最高粘度では, 新米同士の場合はうるち米が高い値で, もち米は低い値を示すが, 古米同士ではもちおよびうるち米ともだいたい同程度の値となり, もち米では古米のほうが新米より4倍ほど高い値を示していた.
3) アミラーゼ活性では, 新米同士の場合はもち米はうるち米に比して高く, 活性比が異なっていたが, 古米同士ではもちおよびうるち米ともに低く, とくに, もち米では低い値を示した.
4) もち米の場合, アミログラムにおける最高粘度は新米は低い値で, 古米は高い値となる要因について考察し, アミラーゼが関与していることを推定した.
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