日本家政学会誌
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縫い糸による消費糸量と縫い目構造の違いについて (その1)
消費糸量の違いについて
福澤 素子
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1988 年 39 巻 4 号 p. 303-311

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抄録
同一布地を同じ縫製条件で縫製した場合でも, 縫い糸によって消費糸量が異なることが実験結果として明らかにされていたが, その理由は不明確であった.そこで, 縫い糸の太さや性状と消費糸量との関係を検討して, 縫い糸間で消費糸量に差が生ずる主な要因が何であるかを見いだす試みを行った.その結果得られた知見のおもなものは次のとおりである.
1) 14番ミシン針を用いた場合の消費糸量は, 50 番絹ミシン糸≅80番綿ミシン糸<60番スパンポリエステルミシン糸≅50番綿ミシン糸の順であった.
2) 縫い糸間の消費糸量の差はおもに, 縫絡点での糸の消費の違いと縫い糸の太さの違いに原因がある.
3) 縫い目での布地の厚さを主体とした楕円部分の形に影響する要因は, 消費糸量にあまり大きな差をもたらさない.
4) 普通の縫製条件では, 縫い糸の伸びの違いによる消費糸量の差は小さい.
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