日本家政学会誌
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本枯節水だし汁のイノシン酸生成機作について (第2報)
本枯節かびつけ部のイノシン酸を生成する酵素の精製と性質
森川 典子吉松 藤子荒川 信彦
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1988 年 39 巻 7 号 p. 671-675

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抄録
鰹節の水だし汁を上手にとる方法の一環として, 本枯節の水だし汁浸出中のイノシン酸増加現象の機作を解明するため, 本枯節かびつけ部の 5'-AMP から 5'-IMPを生成する酵素の精製を行った. さらに, 調理学的見地から本酵素の性質を調べた結果, 次の知見が得られた.
1) 本枯節かびつけ部より 5'-AMP から 5'-IMP を生成する酵素を抽出し, 硫酸アンモニウム分画およびDEAE-セルロースクロマトグラフィーにより精製を行い, 本枯節かびつけ部に 5'-AMP から 5'-IMP を生成する酵素が存在することを確認した.
2) 本酵素の至適 pH は 5, 6 を示し, 水だし汁の pHとほぼ一致した.
3) Na+, K+, Mg2+, Ca2+率は本酵素活性にほとんど影響を及ぼさないことがわかった.
塩化ナトリウムに関しては, 高濃度になった場合, 本酵素性の急激な低下が認められた.
4) 本酵素は, かなり広範囲の温度で活性を示した。一般的に行われる水だし汁の調製温度である 5℃ や 25℃の低温でも, おのおの至適温度での活性の 18%, 58%の活性があることがわかった.また, 本酵素は, 5℃ の冷蔵下においては 5 日間もの長期間ほぼ安定であることが認められた.
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