日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
クッキーのショートネスと硬さが嗜好に及ぼす影響
倉賀野 妙子北尾 敦子山田 光江
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 39 巻 7 号 p. 665-670

詳細
抄録

クッキーの食味とショートネス, 硬さとの関係を把握するために嗜好度官能検査を行い, 同時に定速圧縮破断特性値と対応させて検討した.
1) クッキーの嗜好度官能検査をもとに, 総合評価および各評価項目間の単相関係数, 偏相関係数を求めた.その結果から, ショートネスが, 甘味, 風味と並んで総合評価に貢献する官能的要因として欠かせないことが認められた.硬さはショートネスと大きな相関があり, クッキーにとっては, 両者は切り離せない性質であり, 硬さも総合評価に影響を及ぼす要因と推定される.
2) クッキーのもろさの嗜好度評価 KB とみかけの破断エネルギー En (×106erg/cm3), および硬さの嗜好度評価 KH とみかけの破断応力 Pf (×107dyn/cm2) の関係は, おのおの, KB =-0.147En2 + 0.666En + 0.551, KH =-0.209Pf2+ 0.979Pf + 0.141 で示すことができた.クッキーのもろさは, みかけの破断エネルギー 2.27×106erg/cm3, 硬さはみかけの破断応力 2.35×107dyn/cm2を有するものが, 嗜好度評価が最も高いことが推定された.これらの破断特性値を有するクッキーを調製できる材料配合比を明らかにした.

著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top