日本家政学会誌
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こんぶだし汁の成分と嗜好
松本 仲子加藤 尚巳甲田 道子菅原 龍幸
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1989 年 40 巻 10 号 p. 883-889

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抄録
抽出温度, 時間を変えてこんぶだし汁を調製し, 溶出成分を分析するとともに, 官能検査を行って成分と呈味の関係を検討した結果は, 次のように要約された.
1) 抽出時間が30~60分の間では, 抽出温度が高いほど, また抽出時間が長いほど溶出する成分量が増加した.
2) だし汁の成分と官能検査の総合評価値の関係については, だし汁中グルタミン酸量が30mg/100ml前後のものが好まれ, 10mg/100ml以下のものではうま味不足として好まれず, 50mg/100mlを越えるものではうま味が強いとして好まれなかった.
3) でき上がりだし汁量に対して4%重量のこんぶを用いてだし汁をとった場合, 高い評価を得ただし汁は10℃60分間, 10→100℃5分間, 100℃5分間の抽出条件によったものであった.
4) だし汁中のグルタミン酸と5'-ヌクレオチドとの間には相乗効果は期待できなかった.
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