日本家政学会誌
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咀嚼パターンによる食品テクスチャーの評価 (第2報)
食品のテクスチャーと厚さが咀嚼活動に及ぼす影響
高橋 淳子中沢 文子
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1989 年 40 巻 3 号 p. 189-194

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抄録

食品の形状因子の一つである厚さを変えた場合, または厚さは一定であるが, テクスチャーが変化する場合に咀嚼パターンがどのように変化するかを調べた。その結果, 食品物性のみに大きく影響される因子, 形状と物性の両方の影響を強く受ける因子, またはそのどちらの影響もほとんど受けない因子の存在が認められた.
全体の咀嚼パターンから得られた咀嚼時間 (T), 咀嚼回数 (N) および咀嚼第1回目の波形より得られた加圧時間 (t1) は物性と形状因子の一つである厚さの両方の影響を大きくうける.一方, 最大咀嚼力 (F) および最大微分値 (ID) は形状因子には影響されず, 食品物性の影響を受ける.また咀嚼サイクル (N/T) は食品の物性や形状因子の影響は受けにくく, 被験者本来のもつリズムによるところが大きいことが確認された.

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