日本家政学会誌
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コロッケの破裂の機構 (第2報)
長尾 慶子畑江 敬子島田 淳子
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1989 年 40 巻 5 号 p. 373-377

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抄録
衣を厚くしたコロッケの揚げ加熱中の破裂の機構に関して以下の結論を得た.
1) 衣を2, 3, 4mmと厚くすると薄衣の1mm試料の場合にみられた表層部破裂は起こらず, コロッケ全体に縦 (長軸方向) に亀裂が入る全体破裂となった.
2) 外皮の引張強さは, 経時的に増加した.2mm試料のほうが, 3および4mmの試料に比べて短時間で強度が大となった.破裂時の外皮の強度から推定した内部圧は, 2mm試料のほうがより厚い皮の試料に比べて有意に低かった.
3) 厚衣の全体破裂は, コロッケ内容物体積が揚げ加熱中に温度上昇に伴い6.5~6.9%膨張することで, 約2~3N/cm2高まった内部圧を皮が抑えきれずに亀裂が起きて, 破裂するものであることが示唆された.
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© 社団法人日本家政学会
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