日本家政学会誌
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キャベッの色調とカロチンおよびクロロフィル含量との関係
近 雅代榛葉 良之助
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1990 年 41 巻 4 号 p. 289-293

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抄録

キャベツの葉を外側の緑色の濃いものから内側の白色に至る色調の違いにより10段階にわけ, L, a, b値を測定した.測色したキャベツは, 液体窒素で凍結乾燥し, その粉末0.01gを超臨界炭酸ガス流体を用い, エチルアルコールをエントレーナーとし, 流速4.0ml/min, オーブン温度40℃, 圧力200kg/cmの条件下で30分間カロチンとクロロフィルの定量抽出を行った.その後HPLC法で定量し, 外観の測色値とカロチン, クロフィル量との関係を調べた.
1) カロチン量とクロロフィル量との間には0.914 (p<0.01) の高い相関係数が得られ, クロロフィル量の多いものほどカロチン量が多いことがわかった.
2) 明度を表すL値とクロロフィル量との問には-0.989 (p<0.01), 五値とカロチン量との間には-0.954 (p<0.01) の高い相関係数が得られた.このことからL値の低いものほどカロチン量が多いことがわかり, L値を測色することによってカロチン量の多少を論ずることができると考えた.
3) b/a値とクロロフィル量との間には0.860 (p<0, 01), カロチン量との間には0.829 (p<0.01) の相関係数が得られた.

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