日本家政学会誌
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ニューセラミックス鍋の湿式加熱における調理効果
三成 由美楠 喜久枝橋本 啓一田中 正己
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1991 年 42 巻 1 号 p. 31-35

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抄録
試作したニューセラミックス鍋と, 対照にアルミ鍋を用いて湿式加熱調理の煮る, ゆでる操作を行い, 下記の結果を得た.
(1) 大根のゆで煮は, アルミ鍋で15分加熱よりニューセラミックス鍋で10分加熱後10分余熱した試料が, 有意に軟化が認められ官能的にも好まれた.
(2) ジャガイモのゆで煮は, アルミ鍋で15分加熱した試料よりニューセラミックス鍋で10分加熱後10分余熱した試料が軟らかく煮熟しており, 官能的にも有意に好まれた.
(3) 魚の煮物は, アジを調味液中で15分加熱した場合, 中心部の硬さはアルミ鍋よりニューセラミックス鍋の試料のほうが硬く, 官能的には好ましい結果は得られなかった.
(4) ゆで卵は, 沸騰水で卵を10分加熱するとアルミ鍋の試料が内部温度は高い数値を示し, 15分加熱ではニューセラミックス鍋の試料の凝固が進んだ.
以上より, ニューセラミックス鍋は, 余熱による保温効果と, セラミックス表面からの激しい沸騰気泡より食品への伝熱促進効果が認められ, 湿式加熱調理に有効であると考えられる.
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