日本家政学会誌
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ケーキの加熱方法およびケーキ型の相違がスポンジケーキの性状におよぼす影響
市川 朝子伊東 達子荒木 千佳子中里 トシ子
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1991 年 42 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

(1) スポンジケーキの焙焼方法としてオーブン加熱に電子レンジを併用する方法は, より短時間で嗜好的に好ましいケーキを作るのに有効であることが明らかにされた.
(2) 電子レンジの併用時間は, 今回の生地に関しては1.5分間, また時期としては, 加熱後ただちに併用する方法が最も好ましかった.ただし, 用いたケーキ型のうちパイレックス型の場合は, 電子レンジを加熱直後に併用する方法および, 4分目から併用する方法いずれも同様に好ましい性状のケーキを作ることが可能であった.
(3) 用いたケーキ型によるケーキ性状の違いを比較した結果, 硬さには著しい差はみられず, 弾力性は型による差がみられ, 一般に紙型は弾力性の小さい性状を呈した.
(4) 今回の調製試料で作製したスポンジケーキについての官能検査項目に関しては, きめ, しっとりさ, 硬さの順位の各項目間に高い正の相関性が認められた.
(5) テクスチュロメーター測定項目中, 硬さは官能検査の各項目との間に高い正の相関性を示した.
(6) スポンジケーキ中の水分率と比容積の問には, 金属型, パイレックス型, 紙型おのおの0.840, 0.865および0.927と高い相関性が示された.

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