日本家政学会誌
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乳幼児の衣生活の現状 (第1報)
衣生活の因子分析
布施谷 節子
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1991 年 42 巻 6 号 p. 545-550

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抄録

主として, 子どもの成長に伴う既製服の選択と社会的文化的側面から子どもの衣生活の現状把握をすることを日的として質問紙調査を行った.対象者は, 1988年10月に, 東京近郊, 新潟市, 鹿児島市3地域所在の八つの園に在園する幼稚園児・保育園児 (0~6歳男女児合計約800例) の母親である.質問項目42項目について正準相関分析を行い, 家庭状況質問群と衣生活質問群の関連性を確認した.ついで, 42項目について因子分析を行い, 抽出された因子の解釈を行った.
おもな結果は, 以下のとおりである.
因子分析の結果, 男女児とも7個の因子が抽出された.これらの因子を解釈すると, それは, (1) 家庭での子どもの出生順位や子どもの数により, 子どもの衣服への手のかけ方が異なることを表す因子, (2) 母子のブランド志向, 流行志向, ペアルックを含めたおしゃれ志向の因子, (3) 子どもの成長に伴う体型と着用サイズの認識の因子, (4) 地域や家庭のステイタスにより衣服費のかけ方が異なることを表す因子, (5) 持ち家率と老人同居を含めた家族構成などの家庭状況の因子, (6) 経済性を考慮するサイズ選択の因子, (7) 子どもの意見や希望に対する母親の衣服選択のあり方の因子と解釈される.

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