日本家政学会誌
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数種のゲルの結合水
野口 駿佐藤 之紀
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1991 年 42 巻 8 号 p. 697-702

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抄録

種々のゲル生成物質すなわち寒天, κ-カラギーナン, ワキシーコーンスターチ, ゼラチン, 卵アルブミンおよびカードランから調製された種々の含水量 (99~70%) のゲルについて10℃および30℃においてプロトン緩和時間T1およびT2を測定し, これから結合水量および相関時間を推定した.その結果, 寒天で結合水量はいちばん高く (0.6~1.0g H2O/g dry matter (DM)), つづいてカードラン, 卵アルブミン, κ-カラギーナン (0.07~0.17gH2O/g DM) そしていちばん低いのはワキシーコーンスターチとゼラチン (0.03~0.1g H2O/g DM) であった.10℃でのこれらの量は30℃におけるそれらに比べて, 親水性ゲルでは高く, 疎水性ゲルでは低かった.以上の結果から, 疎水結合を生じるといわれるカードランゲルは他の親水性ゲルと著しく異なる挙動を示すことがわかった.

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