日本家政学会誌
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紫外線照射エノキタケの呈味に関する研究 : 主として核酸関連化合物について
紫外線照射によるキノコ類の効果的利用 (第6報)
桐渕 壽子川嶋 かほる
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1992 年 43 巻 10 号 p. 1039-1042

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抄録

紫外線照射したビタミンD2強化エノキタケについて嗜好性を主として5'-ヌクレオチドについて検討した.
(1) エノキタケの5'-ヌクレオチドはAMP, IMP およびGMP であった.5'-IMP が最も多く, 次いで5'-GMP で, 5'-AMP は僅かであった.
(2) 紫外線照射の有無による5'-ヌクレオチド量への影響はほとんどないといえる.
(3) 乾燥すると5'-IMP, 5'-GMP 共に著しく増加し, それぞれ約540,260mg/100gであった.乾燥するとグルタミン酸も増加し, 両者の相乗効果により, 生より乾燥エノキタケの方が呈味力が増すと思われた.
(4) 5'-GMP を5'-IMP に換算すると, 約1,134mg/100gとなり, シイタケの700mg/100g, かつお節の600mg/100gよりはるかに多かった.
(5) エノキタケの旨味は口あたりはやわらかで, あと味が長く残る5'-ヌクレオチドを多く含むので嗜好の面で非常に好ましいと思われた.

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