日本家政学会誌
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パルスNMR法による小麦ふすまおよび米の吸水過程の追跡
佐藤 之紀野口 駿
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1993 年 44 巻 12 号 p. 1021-1025

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抄録
小麦ふすま, 米ぬか (粉状) と米 (粒状) をそれぞれ水に浸漬させた時の緩和速度1/T1, 1/T2を調べた.小麦ふすまに添加する水の量を多くすると1/Tは低い値を示すようになったが, 水分量が870g/100g-乾燥物を越えるとその値の減少は緩やかになった.この変化が起こる水分含量はどちらの緩和時間を用いてもほぼ一致した値をとり, 米ぬかに水を加えたときの変化によく似ていた.一方, 精白米の1/T2は水分含量が飽和しても増加していたが, ほば一定になった精白米の1/T2は小麦ふすまや米ぬかの値の約1/3および1/7しかなかった.さらに, 玄米では精白米よりも吸水量は低いのに1/T2は高かった.これらのことから, 小麦や米などの穀類の外皮は水を高度に構造化させ, 内部への水の拡散を制御していると思われた.
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© 社団法人日本家政学会
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