明治の終わりから昭和戦前までの「婦人之友」掲載記事やプランをとおして, 読者の日照・オリエンテーションに関する意見をみてきたが, その結果はつぎのようにまとめることができる.
1) 日照に関する意識は高く, 専門家による衛生的な提唱を積極的に受けとめている.日照・オリエンテーションに関して生活上の実感や具体的な工夫を述べていくことは意義のあることだったと思われる.
2) 家族だんらんが提唱されるなかで, 食事空間のだんらん空間化を進め, それと同時に南面化を進めている.さらに, 一部ではあるが接客空間の北面化も進めている.