日本家政学会誌
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水晶発振子を用いたプロテアーゼによるタンパク質汚れ洗浄過程の追跡
小ノ澤 治子下村 久美子小見山 二郎
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1994 年 45 巻 5 号 p. 393-401

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抄録
均一溶液系で得られた洗剤用アルカリプロテアーゼの活性に対する界面活性剤と酸化剤の添加効果が, 実際の洗浄系に近いモデル洗浄系でも同様に生じるかを調べることを目的として, 水晶発振子を用いて, 酵素によるモデルタンパク質 (ゼラチン) の除去過程を重量の時間的変化を追跡することにより調べた結果, 次の事項が明らかになった.
(1) 水晶発振子法により, 固体タンパク質への酵素の吸着と分解による重量変化が経時的に観察された.
(2) 陰イオン界面活性剤, 非イオン界面活性剤ともに酵素の固体タンパクへの吸着を著しく増大させる.非イオン界面活性剤では, 酵素の活性が下がらないため, 均一溶液系と同様に分解に相乗効果がある.
(3) 固体タンパク質でも, 酸化剤と酵素の相乗効果があり, 均一溶液系と同様, まず基質に酸化剤を接触させその後酵素を作用させる条件下で, 大きな相乗効果があることがわかった.
本研究の一部は, (社) 日本家政学会第45回大会 (1993) において発表した.
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