日本家政学会誌
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45 巻, 5 号
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  • 社会政策学的生活構造論の特徴とその意義
    柴田 周二
    1994 年45 巻5 号 p. 365-374
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This short paper aims to specify the features of structural analysis of living as social policy and investigate the effectiveness of this analysis as the method of living science. The main perspectives of structural analysis of living are as follows;
    1) Autonomous system of family life, 2) subjectivity and creativity, 3) social stratification, 4) regionalism. These perspectives should be preserved as the method of living science hereafter. Still remains many problems to these perspectives; especially, the relationship between space planning and social stratification is to be defined.
  • 水野 時子, 山田 幸二
    1994 年45 巻5 号 p. 375-383
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    10%レベルのカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料に0.3%のメチオニン, 25%レベルのカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料に0.75%のメチオニンを添加し, 血漿のコレステロールと遊離アミノ酸に及ぼすメチオニンの影響をコレステロール非添加, 添加の条件で検討した.
    メチオニン添加による血漿コレステロールは, 10%または25%カゼイン飼料, 25%分離大豆タンパク質飼料では変動を示さなかったが, 10%分離大豆タンパク質飼料では有意に低下した.両タンパク質ともその含量に関係なく, コレステロール添加は血漿コレステロールを上昇した.しかし, その上昇はメチオニン添加で顕著に抑制され, その値はコレステロール非添加飼料と同じレベルであった.なお, コレステロール添加で生ずる血漿コレステロールの上昇は25%飼料に比べ10%飼料で顕著であった.コレステロール非添加の10%カゼイン飼料や10%分離大豆タンパク質飼料にメチオニン添加は, 血漿のスレオニンとセリンが低下し, タウリンが上昇した.このような血漿アミノ酸レベルの変動は, コレステロール非添加25%分離大豆タンパク質飼料にメチオニン飼料でも認められた.また, いずれの飼料でも, コレステロール添加は血漿スレオニンレベルの特異的な低下をもたらした.コレステロールを添加した飼料の場合, 10%のカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料にメチオニンの添加は, 血漿のスレオニンとセリンの低下, タウリンの上昇をもたらしたが, 25%のカゼインまたは分離大豆タンパク質を含む飼料へのメチオニン添加による血漿遊離アミノ酸の変動は小さかった.
  • 吉村 美紀, 粂野 恵子, 赤羽 ひろ, 中濱 信子
    1994 年45 巻5 号 p. 385-391
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    寒天, ゼラチン, κ-カラギーナンの3種のゲル化剤を用いたかぼちゃゼリーの物性について, かぼちゃ添加の影響を, 破断特性値, テクスチャー特性値, 動的粘弾性率, 融解温度, 離漿率, 摩擦係数の測定から検討した.また官能検査を行い, 嗜好性を検討した.
    (1) カラギーナンゼリーでは, かぼちゃ添加で破断応力, 動的粘弾率, 融解温度とも増加し, 離漿は抑えられた.
    (2) 寒天ゼリーでは, かぼちゃ添加で破断応力はやや減少した.動的粘弾性率は増加し, 融解温度はやや増加し, 離漿は抑えられた.
    (3) ゼラチンゼリーでは, かぼちゃ添加で破断応力の変化は少なく, 動的粘弾性は増加し, 融解温度がやや増加した.離漿はかぼちゃ添加・無添加とも認めらかぼちゃゼリーの物性と嗜好性についてれなかった.
    (4) 3種のゼリーともかぼちゃ添加で付着性は増加した.一方摩擦係数はカラギーナンと寒天ではかぼちゃ添加により増加したが, ゼラチンでは減少した.
    (5) 順位法による官能検査では, 若年者にパネルの判断の一致性があり, カラギーナンゼリーが好まれゼラチンゼリーが好まれないとの評価を得た.高齢者では嗜好の有意差は認められなかった.
  • 小ノ澤 治子, 下村 久美子, 小見山 二郎
    1994 年45 巻5 号 p. 393-401
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    均一溶液系で得られた洗剤用アルカリプロテアーゼの活性に対する界面活性剤と酸化剤の添加効果が, 実際の洗浄系に近いモデル洗浄系でも同様に生じるかを調べることを目的として, 水晶発振子を用いて, 酵素によるモデルタンパク質 (ゼラチン) の除去過程を重量の時間的変化を追跡することにより調べた結果, 次の事項が明らかになった.
    (1) 水晶発振子法により, 固体タンパク質への酵素の吸着と分解による重量変化が経時的に観察された.
    (2) 陰イオン界面活性剤, 非イオン界面活性剤ともに酵素の固体タンパクへの吸着を著しく増大させる.非イオン界面活性剤では, 酵素の活性が下がらないため, 均一溶液系と同様に分解に相乗効果がある.
    (3) 固体タンパク質でも, 酸化剤と酵素の相乗効果があり, 均一溶液系と同様, まず基質に酸化剤を接触させその後酵素を作用させる条件下で, 大きな相乗効果があることがわかった.
    本研究の一部は, (社) 日本家政学会第45回大会 (1993) において発表した.
  • 山水 きぬ, 眞家 和生, 近藤 四郎
    1994 年45 巻5 号 p. 403-410
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上, 自転車走行時に着装衣服が人体に与える影響を, 生体負担の観点からとらえた.これはエルゴメーターを使用して作業時の酸素消費量の測定から生体側の仕事と, それによるエルゴメーター作業の仕事の比である効率を算定して比較する方法である.この効率は作業動作を拘束するものがあれば低下することに着目して, 下半身用衣服をはき替えたときの効率を調べ, それより自転車走行に適する着衣を選定しようとするものである.おもな結果は次のようである.
    (1) エルゴメーターによる人間の作業効率の測定から, わずかな運動の拘束でも効率低下は認められ, この方法は衣服の影響を調べる有力な手法と考えられる.
    (2) 自転車ペダルの回転運動の拘束原因を着装した下半身用衣服の影響ととらえ, 衣服の種類による作業効率の低下を調べたところ明らかな差異が認められた.
    (3) 以上の結果から, 自転車を漕ぎやすい下半身用衣服は, キュロットスカートを最適として, スラックス, ジーンズ, およびセミタイトスカートの順となり, この結論は経験として感じていたことと同様になり, それを作業効率の観点から定量的に表すことができた.
    (4) エルゴメーターによる効率測定で, 同時に筋電図の測定も行ったが, その結果によれば, データに個人差が大きく現れ, ただ1名のみが作業効率と同じ傾向を示し, 他は十分な相関が認められなかった.実際に, 筋電図の測定には接続電線のゆれとか, 電極と衣服の摩擦による雑音など, 外部の影響を受けやすいので測定困難な問題がある.それに比較して, 提案する作業効率による方法は, 人体への拘束を量的に知る一つの有効な万法であると捉えられた.
  • ヴォルテール, ディドロ, ルソーを中心に
    佐々井 啓
    1994 年45 巻5 号 p. 411-419
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    In the Enlightenment, there were two opposing forces : rationalist thought, based on scientific inquiry, and the essential nature of man, rooted in primitive drives.
    In the midst of this conflict, elegant costume was created with the influence of Rococo art. Understanding the mode of costume requires not only the study of the forms and the patterns of fabrics, but also investigation into the ideas which prevailed at the time.
    In this essay, the views of the Enlightenment philosophers on costumes are analysed.
    The sources for this research are “L'Encyclopédie ou Dictionnaire raisonné des sciences des arts et des métiers” and the writings of such philosophers as Voltaire, Diderot and Rousseau. The results found in this investigation are as follows :
    1) Philosophers were generally very critical of the current modes of fashion.
    2) Voltaire agreed that it was necessary to maintain the social order by means of dress, but insisted that in order to express man's inner-self, an outwardly luxurious appearance was not necessary.
    3) Diderot, when he criticized religion, argued that religion had no moral impact on women's fashion.
    4) Rousseau reformed his own dress to correspond with his appearance and his essential qualities. He was generally critical of the modes of fashion, but sympathetically approved of those with good taste who could control the direction of fashion.
    It follows that the idea of costume of the time represented these two conflicting aspects of the Enlightenment. That is, the costume which was the indication of classes affirming the actual society, and the costume which expressed one's essential qualities not reflected in his appearance.
  • 居住者特性, 住生活
    鈴木 博志
    1994 年45 巻5 号 p. 421-430
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    以上の結果は, 次のように要約される.
    (1) 単身世帯の基本的特性として, 住宅は賃貸アパートが大半であり, 男性では木造賃貸アパート居住の割合が高い.世帯主の年齢層の多くは若年層であるが, 中・高年層の単身者も半数近くを占める.女性に, 高齢単身者が多い.収入は, 一般世帯と比較すればかなり低い.職業は, ホワイトカラー系の比率が高い.通勤時間は, 比較的短い.こうした単身世帯の基本的特性は, 通勤時間の点を除いて男女間の格差が明瞭である.
    (2) 単身化の理由は年齢層で異なり, 若年層の男性では「就学」が目立つ.30歳代の中年層では「就職」, 高年層で「死・離別」が増加し, とくに高年層の男性は「単身赴任」が多く, 配偶者のいる割合が高い.単身の期間は, 年齢層が高くなると長期化するが, 60歳以後は逆に短くなる.女性の高年層の単身期問が長い.結婚, 同居等の予定は, 若年層の段階でも「今後も一人」とするものが3割近くも存在する.40歳代の中年層以降は, 一人暮らしの志向がますます強まる.
    (3) 単身世帯の平日の生活時間は, 遅い起床・遅い就寝, 通常外出・遅い帰宅である.休日の生活時間は, 平日より起床, 外出とも遅いが, 就寝, 帰宅は変わらない.平日における単身の男性は, 女性より起床, 就寝とも遅く, 外出は早いが帰宅は遅い.休日でも, 男女間の生活時間の関係は同じである.年齢別では, 60歳以上の高齢単身者は就寝は早いが, 起床は特別早いわけではない.
    (4) 単身世帯の家事の頻度は, 相対的に低い.しかし, 単身の性別による格差は大きい.女性の場合, そうじ, 洗濯 (自宅), 調理 (夕食), 買物の頻度が高い反面, 男性では低く, とくに夕食を外食の形でとることが多い.年齢別では, 高年層になると男女とも家事の頻度が高くなり, 外食 (夕食) への依存が減少する.
    (5) 単身世帯では, お金をかける価値のある生活志向の中心は「趣味・教養」, 「娯楽」であるが, 二義的には個人の生活重視の傾向がうかがわれる.性別では「趣味・教養」の次は, 男性は「人との付き合い」, 女性は「旅行や飲食」に分かれる.年齢別では, 30歳代の中年層の男性で「人との付き合い」志向が最も強くなる.40歳代以降の年齢になると, 男性は「旅行」, 「美味しいものを飲食」, 女性は「旅行」の志向が高くなる.
    (6) 単身世帯の住宅や住まい方に対する考え方の特徴は, 複数世帯と比べて地域の人々との付き合いや関わりに消極的であること, 高年層においても老後の住宅への配慮の意識が低いことにある.性別では, 女性は出窓やベランダに花を飾ること, 常駐の管理人を確保することへの意識が高い.広さや見栄より住みよい住まいであることが重要であり, 都心居住への志向も強い.年齢別の傾向として, 男女とも年齢層が高くなると出窓やベランダに花を飾る行為が積極的となり, また女性は住みよい住まいを求める志向が高くなる.男性では, 中年層でくつろぎに対する意識が低い.
  • 湯川 聰子, 谷崎 通子, 原 佐緒理
    1994 年45 巻5 号 p. 431-435
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 学事関係職員録の解析
    馬路 泰蔵
    1994 年45 巻5 号 p. 437-445
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    岐阜県学事関係職員録を資料として, 中学校家庭科担任教員の状況について解析し, 以下の結果を得た.
    1) 中学校家庭科は家庭の教員免許を持たないと推定される教員の兼担によって実施される割合が高く, 小規模校ではこのような兼担の割合が極めて高かった.
    2) 家庭を兼担する教員は, 家庭科の背景となる科学よりも性別の側面から選定される場合が多いと推定される.
    3) 家庭の教員免許を持つと推定される家庭科担任教員のいない学校は, 全教科の中で最も多かった.
    4) 家庭の教員免許を持つと推定される家庭科担任教員が3名以上いる学校は全教科の中で最も少なかった.
    5) 家庭科担任教員は技術科担当教員と比べても, 免許を持つと推定される教員数が少なく, 免許外と推定される教員による兼担の割合が高かった.
  • 国際交流委員会主催シンポジウム「国際家族年を迎えて-国内外の動向」
    轟木 長紘, 丸山 元彦, 松島 千代野
    1994 年45 巻5 号 p. 447-449
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 家政学将来構想特別委員会報告書
    1994 年45 巻5 号 p. 451-478
    発行日: 1994/05/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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