日本家政学会誌
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二酸化窒素およびオゾンガスへの暴露による綿, 絹, およびナイロン繊維の表面劣化の形態学的検討
小林 有紀子芳住 邦雄
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キーワード: 電子顕微鏡, 綿, , ナイロン, NO2, O3
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1998 年 49 巻 8 号 p. 893-898

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抄録

大気汚染物質による布帛への影響について, 綿, 絹およびナイロンを試料として, NO2とO3により実験室的暴露を行った.暴露した布帛は走査型電子顕微鏡を用いて, その表面状態を観察した.その結果, NO2を290ppmで48時間暴露した綿は, 繊維の表面に亀裂が認められた.ナイロンでは.48時間暴露において, 表面が膨潤し, 細かい凹凸が現れ, 96時間暴露では, 溶解し, 硬化する様子が観察された.一方, O3による暴露では, NO2の暴露と異なった表面状態を示し, 96時間暴露による絹の表面は, 細かくフィブリル化する様子が認められた.NO2およびO3は, 繊維表面に深刻なダメージを与えることが明らかとなった.

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© 社団法人日本家政学会
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