日本家政学会誌
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49 巻, 8 号
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  • 熊澤 幸子, 鈴江 緑衣郎
    1998 年 49 巻 8 号 p. 859-864
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本実験は正常マウスとエールリヒ腹水癌担癌マウスにα-リノレン酸またはα-リノレン酸と鉄 (II) を過剰に摂取させ, その血清および癌細胞の脂肪酸組成の変化を調べた.α-リノレン酸またはα-リノレン酸と鉄 (II) を過剰に摂取させると, 正常マウスおよび担癌マウスの血清脂肪酸の組成百分率ではAA (アラキドン酸) は減少した.担癌マウスの血清では, α-リノレン酸またはα-リノレン酸と鉄 (II) を過剰に摂取させるとEPA (イコサペンタエン酸) と EPA/AA は減少した.また担癌マウスの血清では, α-リノレン酸またはα-リノレン酸と鉄 (II) を過剰に摂取させると AA と DHA (ドコサヘキサエン酸) は減少したが, DHA/AA は増加した.
  • 岡村 徳光, 西川 優美, 奥田 展子, 大杉 匡弘
    1998 年 49 巻 8 号 p. 865-871
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    きのこは食物繊維が豊富で種々の薬用効果があり, 健康食品素材として注目されている.きのこを添加したパンの製造ならびにその特徴について研究を行った.5% のシイタケあるいはエノキタケを添加したパンは, 通常の食パンとほぼ同程度の体積, 比容積を示したが, 同量のマイタケ, ブナシメジ, キクラゲあるいはナメコを添加したパンでは通常の食パンに比べ体積, 比容積が著しく減少した.マイタケ, ブナシメジ, ナメコでは, 添加量に伴いガスの発生量が増加したが, これらきのこのパン生地への添加は, パン酵母に栄養源を与え, 発酵を促しガス発生量を増加させ, 結果として過剰に発生したガスがパン生地を破壊し, 体積の減少したパンが焼き上がるものと推定された.一方, パン酵母を含む液体培地に 5% 以上のシイタケを添加した場合では, 発酵によるガスの発生は認められず, パン酵母に対する生育阻害が認められた.生地中では, シイタケとパン酵母との接触の機会が比較的少ないため, 酵母は完全に生育が抑えられることなく, 過剰なガス発生がない程度に発酵が行われ, 結果として標準のパンと同程度に膨らむものと考えられた.
  • 下坂 智恵, 下村 道子, 寺井 稔
    1998 年 49 巻 8 号 p. 873-879
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, 魚骨の有効利用を目指して, 酢酸溶液に魚骨を浸漬したときの物性および成分の変化について調べた.生または蒸したアジの骨を, 4%酢酸溶液に120時間浸漬した.骨の破断強度はレオメータにより測定し, 魚骨の無機成分は, ICP-AESにより測定した.魚骨を酢酸溶液に浸漬すると, 破断に要する最大荷重は浸漬後1時間で急激に減少し, 120時間まで減少し続けた.魚骨を酢酸溶液に浸漬している間に重量と椎体の直径は減少し, 魚骨の水分量は増加した.このことは, 酢酸溶液に浸漬することにより魚骨の成分の移動があったと推察される.酢酸溶液に浸漬することによりタンパク質は, 魚骨からほとんど溶出しなかったが, 魚骨の無機成分は, 減少しているのがみられた.酢酸溶液に浸漬した魚骨は, 急激に軟化した.この軟化は, 酢酸溶液に骨の無機成分が溶出したものと考えられる.魚骨を酢酸溶液に浸漬する場合, 生で浸漬するよりも加熱してから浸漬した方が, 短時間で軟化したが, 無機成分の溶出は少なかった.
  • Shep 編 “Civil War Cooking” を資料として
    谷口 彩子, 亀高 京子
    1998 年 49 巻 8 号 p. 881-888
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    明治初期に最も普及した翻訳家政書『家政要旨』の原典, ハスケル夫人『主婦百科』については, これまでアメリカにおける先行研究が見出せなかったが, その復刻版である Shep 編 “Civil War Cooking” がアメリカで刊行されていることがわかった.本研究ではその中のNotes を資料とし, 明治初期の翻訳家政書研究の一環として, 同書の特質に関する考察を行う.
    その結果, Shepは『主婦百科』を単なる料理書を越えた1860年代のアメリカ人の家庭生活に関する本としてとらえている.その内容は, アメリカへの移民者が, 新しい環境の中で, イギリス的な生活様式をアメリカ式のものに変化させていくプロセスを示すものとして着目される.また同書は, 南北戦争期の女性の生活に密接に関わっている.原書の特質が, 単なる料理書を越えた家庭生活全般に関する記述にあるとすると, 原書の大半を占めている料理に関する内容を訳出しなかった『家政要旨』の翻訳者永峯秀樹の方法は, 必ずしも原書の特質を損なうものではなかったと考える.
  • 長谷川 昇
    1998 年 49 巻 8 号 p. 889-892
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    ガルシニアエキスのインシュリンによる3T3L1細胞の脂肪細胞への分化と, 分化後の油滴の分解に対する作用を研究した.3T3L1細胞をインシュリンで分化させると, 2週問で顕著な油滴が細胞質に認められた.この際, ガルシニアエキスを添加しておくと, 脂肪細胞への脂肪蓄積が抑制された.油滴が十分に蓄積された後, ガルシニアエキスを加えると、10μm2以下の油滴が選択的に消失した.以上の事実から, ガルシニアエキスは, 脂肪の合成を抑制し, 脂肪の分解を促進することが明らかとなった.
  • 小林 有紀子, 芳住 邦雄
    1998 年 49 巻 8 号 p. 893-898
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    大気汚染物質による布帛への影響について, 綿, 絹およびナイロンを試料として, NO2とO3により実験室的暴露を行った.暴露した布帛は走査型電子顕微鏡を用いて, その表面状態を観察した.その結果, NO2を290ppmで48時間暴露した綿は, 繊維の表面に亀裂が認められた.ナイロンでは.48時間暴露において, 表面が膨潤し, 細かい凹凸が現れ, 96時間暴露では, 溶解し, 硬化する様子が観察された.一方, O3による暴露では, NO2の暴露と異なった表面状態を示し, 96時間暴露による絹の表面は, 細かくフィブリル化する様子が認められた.NO2およびO3は, 繊維表面に深刻なダメージを与えることが明らかとなった.
  • 主に中高年既婚女性退職者について
    草野 篤子, 前山 加奈子
    1998 年 49 巻 8 号 p. 899-906
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This research was conducted to determine the life plan of the middle-aged and older Chinese women who have retired in Beijing, and grasp the mode of their retirement, the public medical expenses received under the “socialist” system, and especially the actual economic conditions of the Chinese family on the basis of the results of our investigation in Beijing.
    It has become clear that the total expenditure exceeds the total income due to the rise in prices and the improved standard of living, that they are unable to live on their public pension, that the welfare service is insufficient, and that the satisfaction ratio is low in regard to total income.
    Although our investigation was conducted only on the retired middle-aged and older women in the capital city, it has become clear that the economic life in China has been changing drastically.
  • 難波 敦子, 宮川 金二郎, 大森 正司, 加藤 みゆき, 田村 朝子, 斎藤 ひろみ
    1998 年 49 巻 8 号 p. 907-915
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    This report continues our study of post-heated and fermented tea which are produced in the northern area of South-East Asia and Japan. A search of Chinese literature for Suancha (a sour, non-salted pickled tea) reported it to be produced by hill tribes in the south-west of Yunnan province in China by a two-step fermentation process (under aerobic and anaerobic conditions) like Goishi-cha in Japan. Our study, however, clarifies that the present Suanchas are produced by a one-step fermentation process under anaerobic conditions like Lepet-so in Myanmar, Miang in Thailand and Laos, and Awa-bancha in Japan. Suancha is now produced by the Bulangzu living near Mt. Bulang in Xysanbanna and by the Daizu in Dehong province of Yunnan. Edible pickled teas, including Liangpan-tea and Yancha that is the other kinds of pickled tea in Yunnan are also discussed.
  • 福島 潤子
    1998 年 49 巻 8 号 p. 917-918
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 文江
    1998 年 49 巻 8 号 p. 919-920
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 尾上 正行
    1998 年 49 巻 8 号 p. 921-922
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 本村 汎
    1998 年 49 巻 8 号 p. 923-924
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
  • 後藤 久
    1998 年 49 巻 8 号 p. 925-926
    発行日: 1998/08/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
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