日本家政学会誌
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女子短大生のからだつきに対する意識とそれを形成する要因
布施谷 節子高部 啓子有馬 澄子
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1998 年 49 巻 9 号 p. 1037-1044

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抄録
女子短大生289名を対象として, 身体計測値とからだつきに関する意識調査により, からだつきに対する意識とそれを形成する要因について検討した.得られた主な結果を要約して次に示す.
1) からだつきを満足・不満足という観点からみると, 全般に太いこと, 低いことが不満であり, 殊に, 下体部のからだつきに不満が多いことがわかった.
2) 理想のからだつきは, 女子短大生全般にわたり, 共通したイメージと理想の数値が出来上がっており, その理想と現実のギャップが, 自分のからだつきに対する不満意識を形成することにつながっているものと考えられた.
3) 女子短大生のからだつきの意識構造は, 主成分分析により, やせ願望や高身長, 大きな胸囲, 小さな胴囲や腰囲を願い, また理想とする五つの成分からなることが明らかになった.
4) からだの部分の形状の中で, 特に下体部の形状がからだつき全体の満足度に関わることが明らかになった.
5) からだつきについての悩みの要因分析や雑誌記事の購読分析から, 女子短大生にとって, ファッション雑誌や週刊誌などマスメディアの影響が大きいことが示唆された.
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