日本家政学会誌
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抗う蝕成分としての黒ビールのインベルターゼ
村田 容常錦織 智子本間 清一
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1999 年 50 巻 7 号 p. 689-694

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抄録

う蝕 (虫歯) は, ミュータンス菌 (Streptococcus mutansS. sobrinusなどの虫歯菌) の作るグルコシルトランスフェラーゼの作用によりスクロースより不溶性のグルカン (IG) が形成されることで始まる.黒ビールよりエタノール沈澱, DEAE-トヨパールにより精製したIG合成阻害成分はインベルターゼ活性を示した.インベルターゼによりスクロースがグルコースとフルクトースに加水分解されるためIG合成が阻害され, S. sohrinusのガラス表面への付着 (虫歯菌の歯への付着のモデル) が阻害された.黒ビールは淡色ビールに比べ多くのインベルターゼを含んでおり, より強いIG合成阻害を示した.黒ビールのインベルターゼは酵母由来であった

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