日本家政学会誌
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ゴマ種子の性状に焙煎条件が及ぼす影響
武田 珠美青野 寛子福田 靖子畑江 敬子島田 淳子
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2000 年 51 巻 12 号 p. 1115-1125

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抄録

ゴマ種子を170℃, 200℃および230℃で5~40分間焙煎し, 外観微細構造, テクスチャー, 糖およびリグナン類への影響を検討した.
170℃で20分まで焙煎したゴマは表皮の着色や亀裂が少なく, 外観上優れていたが, 歯ざわりの評価が低かった.230℃で5~15分焙煎したゴマはいずれもよくふくらみ, 残存胚乳組織と子葉問に空間が観察され, 官能検査ではもろく, プチッと破断する感触が強く, 好ましい歯ざわりと評価された.しかし, 焙煎5分ですでに表皮の着色が濃く, 亀裂が目立った。セサモールは著しく生成した.200℃で焙煎したゴマは, 230℃焙煎のゴマに類似していた.
遊離糖には, グルコース, フラクトース, スクロース, プランテオースおよびスタキオースが含まれ, スタキオースは比較的安定であったが, 他の糖は高温の焙煎ほど減少が速くみられ, これらの総量と表面色 (L値) には高い相関がみられた.

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