日本家政学会誌
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調理法による食品中のビタミンB6保持と日常の食事における調理損失
柴田 圭子安原 安代安田 和人
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2001 年 52 巻 12 号 p. 1187-1197

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抄録
実際のビタミンB6 (B6) 摂取量を考慮して, 日常の食事中のB6におけるおおよその調理損失の見積もりに適用するデータが得られた.我々の19名の健康な女性の栄養調査によるデータより, HPLCにより測定した調理後の食事中のB6含量は食品成分表を用いて計算した調理前のB6含量のおよそ13%であった.更に実際のB6損失を確認するため, 食事記録による食事を再現調理し, 調理前後の食物中のB6の測定より得られた結果もまたおよそ13%であることを示した.日常の食事において, 動物性食品のほとんどがB6損失の少ない乾式加熱により調理されており, 一方, 植物性食品の多くが湿式加熱であった.調理損失は「煮る」で最大となり, 続いて「揚げる」, 「焼く」の順であった.しかし, 食材と共にゆで汁に移行したB6を摂取すれば, 「煮る」は比較的B6損失が少ないことが認められた.
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