日本家政学会誌
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浴用剤色素の綿白布への汚染性
渡辺 紀子
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キーワード: 洗濯, 浴用剤, 色素, 綿布, 汚染性, 色差
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2001 年 52 巻 7 号 p. 635-640

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抄録
市販浴用剤には, 約93%の無機塩類と共に微量の色素 (酸性染料) が配合されている.本実験では綿白布への浴用剤および色素水溶液中での汚染実験を行い, 次の結果を得た.
1) 市販浴用剤3種の色素含有率は, 約0, 13~0, 30%であった.61種の配合色素の綿布への汚染性は異なり汚染順位は, 赤色230 (1) 号>鐙色205号>青色2号>黄色5号>赤色106号>緑色204号であった.
2) 青緑系浴用剤の表示濃度30g/200l (0.015%) を含む用水を用いて繰り返し5回の洗濯を行った結果すすぎを清水で行った場合も, 洗濯後の色差 (ΔE) は, タオル : 8.2, メリヤス : 6.3, 平織 : 2.6を示し明白な色素汚染を確認した.
3) 青色2号を用いた48時間の振とう実験において, モデル洗剤 (非イオン系活性剤20%+硫酸ナトリウム80%) 0.1%の添加系は無添加系と比べて色素付着は顕著であった.また, 20℃系が40℃系より汚染しやすく, 色素付着は発熱反応系であった.
4) 青色2号に対する共存添加剤の汚染性の順位はNa2SO4>Na2CO3>NaHCO3>非イオン活性剤であり, 特に, 非イオン活性剤との共存系での汚染は認められず, 無機塩類中ではNa2SO4との共存系が最も色素付着を促進した.
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