日本家政学会誌
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大根3品種のVC量およびその合成・酸化酵素活性の貯蔵中の変化
森山 三千江大羽 和子
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2002 年 53 巻 11 号 p. 1145-1151

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抄録
(1) 大根3品種 (緑輝, くらま, 福味) の収穫直後の総VC量は上部下部とも緑輝>くらま>福味の順に多かった.VC合成に関与するGLDH活性は, くらま≧緑輝>福味の順に高く, VC酸化に関与するAAO活性はくらま>福味≧緑輝の順に高かった.
(2) 4℃および15℃で貯蔵中のVC量の変化をみると, 緑輝の上部, および, くらまと福味の上部, 下部で減少した.これらの組織では貯蔵中にGLDH活性が減少するか, AAO活性が増加した.緑輝の下部は4℃および15℃貯蔵中にVC量が増加傾向にあり, 貯蔵中GLDH活性は減少せず, AAO活性はほとんどみられなかった.したがって, VC量とGLDH活性の問には正の相関性が, AAO活性との間には負の相関性がみられた.
(3) 大根三品種 (緑輝, くらま, 福味) では上部は4℃貯蔵が, 下部は15℃貯蔵が好ましいと考えられた.
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