日本家政学会誌
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ビリルビンオキシダーゼによるアゾ染料の脱色
片山 倫子佐藤 裕子田口 香織前川原 貴子
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2003 年 54 巻 7 号 p. 529-535

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抄録

8種アゾ染料 (C.I. Direct Green 59, C.I. Direct Blue 15, C.I. Reactive Black 5, C.I. Direct Blue 6, C.I. Direct Black 51, C.I. Direct Red 2, C.I. Direct Violet 48, C.I. Direct Black 22) を用い, ミロテシウムベルカリア由来のビリルビンオキシダーゼ (BOと略す) による脱色性能を検討した.
それぞれの染料水溶液にBOを添加し一定時間恒温で振とう後に試料液を抜き取り, BOを除去したろ液の吸収スペクトルを測定すると同時にHPLC分析を行う方法によりBOの分解効果を検討した.
供試染料はいずれもBO添加後に著しい変化が生じ濃色から薄い色の液へと変化したものや, まったく色相の異なる液に変わったものがあった.
供試染料水溶液の極大吸収波長における吸光度変化から算出したBO添加後24時間の脱色率はC.I. Direct Black 22とC.I. Direct Violet 48については約40%と低い数値であったが, 他の6種染料はいずれも90~98%の高い脱色率を示した.
一方, 供試染料水溶液のHPLC分析データによると, 8種染料はいずれもBO添加後急速に減少していくことがわかった.吸光度変化から算出した脱色率が低かった2種の染料についても, BO添加後24時間で染料由来のAピーク面積が90%以上減少したことが明らかになった.

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