日本家政学会誌
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タンパク質系ゲル状食品の物性と保水性に及ぼすヒアルロン酸の影響
山本 寿西村 公雄佐藤 郁夫
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2003 年 54 巻 7 号 p. 583-589

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抄録
ヒアルロン酸 (HA) を0, 0.01および0.1%含むチーズ, うどん, かまぼこおよびカスタードプディングを調製し, 各物性量と放置中の水分蒸散 (保水性) に与えるHAの効果を検討した.
1) チーズは, HA0.1%添加により小さい変形に対する弾力が増し, 大きい変形に対して弱くなった.HA添加は放置中の水分蒸散を顕著に抑えなかった.
2) うどんは, HA0.1%添加により微小変形に対する弾性が増大し, 塑性変形部が長くなった.放置中の水分蒸散は抑制された.
3) かまぼこは, HA0.1%添加により大変形に弱くなり, しなやかさも失った.放置中の水分蒸散は抑制された.
4) カスタードプディングの物性量は, HA0.01%添加によって大きく変化し, 放置中の水分蒸散は抑えられた.HAを0.1%添加すると, 全ての変形領域で弱くなり, 降伏点が消失した.
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