日本家政学会誌
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生体反応からとらえたパジャマ素材(羅布麻混)の着心地について
森 由紀伊神 久美子杉田 明子木岡 悦子
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2005 年 56 巻 4 号 p. 233-240

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抄録
パジャマ素材特性の違いによる着心地が睡眠にどう関わるのかを検討するため, 「着る漢方」として健康に効果的とされている羅布麻素材のパジャマを取り上げ, 綿85%・ナイロン15%混紡のパジャマとの比較を, 着用実験をとおして行った.なお, 布組織はいずれも平編みで, サイズは各被験者の適合サイズとした.実験Iでは, パジャマ着用30分間の脳波を測定した.実験IIでは, 通常生活の睡眠中における主観調査, ホルモン分泌量および皮膚温測定を行った.
脳波測定結果においては, 羅布麻混綿パジャマ着用時にα波出現率が有意に高く, リラックスした状態にあることが示唆された.また, 羅布麻混綿パジャマ着用時にメラトニン分泌量が大となり, 胸部と足背部との皮膚温の差が小となるなど, 羅布麻混パジャマが睡眠に適した寝衣であることが示唆された.これらの結果は主観的な着用感や熟睡感とも一致した.これらのことから, パジャマ素材が効果的な睡眠に関わることが明らかとなった.
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