2026 年 53 巻 2 号 p. 308-312
現代医療において、医科と歯科の連携は、口腔と全身の健康の関連に関するエビデンスの蓄積を背景に、理念から実践的必要性へと変化している。本稿では、口腔内マイクロバイオームの解析と人工知能(AI)技術の導入を軸とした新たな歯科健診システムが、全身の健康管理において果たす役割について論じる。1674年にファン・レーウェンフックによって歯垢中の微生物が観察されて以来、口腔内微生物叢とアルツハイマー病、心血管疾患、糖尿病、炎症性腸疾患など多様な全身疾患との関連が報告されている。同時に、AI技術の活用により、歯科画像診断の精度と効率を向上させ、国民レベルの健診の質と標準化に寄与し得ることが示されている。医科歯科連携医療は、予防医学の推進と医療費抑制に資する統合的健康管理システムとして位置づけられる。