【背景と目的】胃X線スクリーニング検査の立位圧迫法において適切に圧迫できない症例を経験する。本研究では、圧迫撮影の有効性に影響する因子を検討する。
【対象と方法】対象は健診にて胃X線検査を受検した800例(男女400例ずつ)。対象において胃X線画像上、圧迫により体部、角部、前庭部、幽門前部の全ての部位で明らかな黒化を認めた例を有効群、部位により黒化を認めなかった例を無効群とし、各群において性別、BMI、胃の形を比較した。さらに有効群において粘膜ヒダおよび胃小区が観察できたものを高画質とし、高画質を得やすい部位を検討した。
【結果】1)有効群は800例中344例(43%)であった。2)有効群で女性が有意に多かった(有効群:男性31.4%,女性68.6% vs 無効群:男性64.0%,女性36.0% *)。3)BMIが25以上の比率が有効群では無効群に比し有意に少なかった(10.8% vs 31.4% *)。4)胃の形は鈎状胃が有効群では無効群に比し有意に多かった(93.0% vs 66.9% *)。5)有効群のうち高画質を得られた部位は、体部(70.1%)、角部(45.3%)、前庭部(39.5%)、幽門前部(96.5%)であった。* p<0.01
【考察】圧迫撮影の有効性には、性別、BMI、胃形が影響することが示唆された。幽門前部での画質が他部位に比べ良かった理由は解剖学的形態によると考えられた。
【結語】性別や体格、胃形を考慮に入れ、圧迫撮影に臨む必要があると考えられた。圧迫部位により画質が異なる観点からは、幽門前部を主たる標的部位とすることを念頭に撮影法の基準の再構築を検討することも必要であると考えられた。
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