論文ID: 2024-24
【目的】当法人では、人間ドック受診率の低い経営者クラスの受診向上のために、予約時から受診後フォローアップまでを行う専任のコンシェルジュを配置したエグゼクティブ人間ドックのコースを設定している。初年度2017年15名であったが、その後紹介などにより利用者が増え続け、2022年度には166人の利用増になった。経営者からご家族の受診紹介を受けるケースもあり、受診率の低い経営者主婦層の利用にも繋がった。併せて企業従業員の健康診断の依頼を受ける機会が増加した。今回は経営者の満足された内容を検証し、その結果を報告する。
【方法】対象は、2022年1月から2023年1月までに東京桜十字のエグゼクティブドックを受診した37人。満足度調査となるアンケート記入方式とヒアリング方式を実施。予約申し込みの段階から受診当日の検査終了後まで一連の運用に基づき、施設内環境のハードウエア面と、接遇を含めた対人面でのソフトウエアの両面のサービス内容について満足度調査を行なった。
【結果】ハードウエア面では施設内の居心地の良さが良いと評価した方が35人(95%)、次にプライベートルーム環境が良いと評価した方が32人(86%)であった。一方、評価が悪かった項目は施設内空調で、良いと評価した方が22人(52%)にとどまった。ソフトウエア面では、医師の対応や医師の結果説明に対し36人(97%)の方から良いと回答があった。また予約申込から予約確定までの調整対応と、エグゼクティブドック検査項目に対しては34人(92%)の方から良いと評価があった。
【結論】医師、コメディカル、コンシェルジュの接遇サービス面の強化が評価され受診率の向上に繋がっている事が確認できた。また多忙な経営者には「時間を節約したい」という潜在ニーズがあるので、コンシェルジュが窓口となり、安心感を与えたワンストップ・ワンオペレーションサービスが効果的である事が確認できた。