抄録
18~73歳の男性276名を対象として, 厚生省による男性のVO2max/wt維持目標値について検討した結果, 以下のような知見を得た。
1) VO2max/wtとCHD危険因子との関係から, 年齢, %fat, 飲酒量, 喫煙量の影響を消去しても有意な相関関係を示した項目について, 各CHD危険因子の正常値の下限あるいは上限に相当するVO2max/wtを求めたところ, 厚生省のVO2max/wt維持目標値の60歳代の値に近い値が得られた。
2) VO2max/wtを目的変数とし, 年齢, CHD危険因子, 飲酒量, 喫煙量を説明変数とした重回帰分析を行ったところ, 厚生省のVO2max/wt維持目標値の20歳代の値に近い値が得られ寄与率 (r2=0.55) も単回帰分析の結果よりも大きくなった。
3) 厚生省によるVO2max/wt維持目標値を下回ると, CHD危険因子の測定値が有意に悪化した。
以上の結果から, 本研究の結果は, 厚生省のVO2max/wt維持目標値を支持するものであると思われた。