日本総合健診医学会誌
Online ISSN : 1884-409X
Print ISSN : 0911-1840
ISSN-L : 0911-1840
教育講演 厚生省による「健康づくりのための運動所要量」における単位体重当たり最大酸素摂取量維持目標値の妥当性について
今村 裕行松原 末佐皆吉 正博今井 優国方 和宏中村 伸二神 友美平江 千夏田中 啓子小松 洋一小畑 大吉
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 20 巻 4 号 p. 391-396

詳細
抄録
18~73歳の男性276名を対象として, 厚生省による男性のVO2max/wt維持目標値について検討した結果, 以下のような知見を得た。
1) VO2max/wtとCHD危険因子との関係から, 年齢, %fat, 飲酒量, 喫煙量の影響を消去しても有意な相関関係を示した項目について, 各CHD危険因子の正常値の下限あるいは上限に相当するVO2max/wtを求めたところ, 厚生省のVO2max/wt維持目標値の60歳代の値に近い値が得られた。
2) VO2max/wtを目的変数とし, 年齢, CHD危険因子, 飲酒量, 喫煙量を説明変数とした重回帰分析を行ったところ, 厚生省のVO2max/wt維持目標値の20歳代の値に近い値が得られ寄与率 (r2=0.55) も単回帰分析の結果よりも大きくなった。
3) 厚生省によるVO2max/wt維持目標値を下回ると, CHD危険因子の測定値が有意に悪化した。
以上の結果から, 本研究の結果は, 厚生省のVO2max/wt維持目標値を支持するものであると思われた。
著者関連情報
© 日本総合健診医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top