総合健診
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女子大学生の冷え症者における心電図と身体所見
―冷え症の重症度との関連―
大和 孝子青峰 正裕
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2003 年 30 巻 6 号 p. 575-580

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抄録

本研究では女子大学生を対象にし, 冷え症の程度を弱, 強の2段階に区分けして, 冷え症の程度と身体状況および心電図との関連を調べた。身体計測値を正常者と冷え症者で比較した場合, 身長は両者間で有意差はなかったが, 体重, BMI, 皮下脂肪厚, 体脂肪率, 体脂肪量は有意に冷え症者で低かった。冷え症の3群間で較べてみると, 体重, BMI, 体表面積, 皮下脂肪厚, 体脂肪率, 体脂肪量は“冷え”の程度が増すほど値は低下する傾向があった。また, 心電図 (第II誘導) を比較した場合, R-R間隔とQT時間は“冷え”の度合いが強いほど, 有意に延長していた。冷え症者でみられたQT時間の有意な延長は, 先行するR-R間隔で補正したQTcを正常者と冷え症者2群間で比較すると有意差は消失した。これらのことより, 冷え症の程度と痩せ, 徐脈との間に正の相関があることが分かった。

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