人間と生活環境
Online ISSN : 2433-2836
Print ISSN : 1340-7694
ISSN-L : 1340-7694
動静脈吻合血管反応を考慮した人体熱モデルによる皮膚温予測結果
竹森 利和庄司 祐子平田 耕造中島 健
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 1 巻 1 号 p. 58-63

詳細
抄録
熱環境の快適性評価のための人体熱モデル(AVAモデル)を開発した。このモデルの特徴は,動静脈吻合血管および広域・微小循環の2重血管網が組み込まれていることである。本稿では,異なる3つの定常熱環境(室温22℃, 28℃, 34℃いずれも湿度45%)において,本モデルを用いた皮膚温等の予測結果を被験者実験結果およびSmithモデルによる予測結果と比較検討した。その結果,次の知見を得た。(1)本モデルは中高温域(室温28℃〜34℃)における末梢部の皮膚温等を精度良く予測でき,全身の皮膚温分布予測に有効である。(2)本モデルは,大きな環境変化(室温22℃と34℃では12℃差)に対しても,深部温をほぼ一定に保つことができ人体熱モデルとして適切に機能する。(3)結果の可視化より,計算された皮膚温分布および深部温が人体生理の面から妥当であると考えられる。
著者関連情報
© 1994 人間-生活環境系学会
前の記事 次の記事
feedback
Top