東北地方の数戸の農家の住宅において,主として高齢者に主眼をおいた,室内環境とそこでの健康影響の実態把握を行うことを目的とした実測を行った。対象住宅の換気回数は,2.5〜5.0回/hであり,都会の住宅と比べかなり高かった割には住宅のCO,CO_2濃度は,事務所ビルの結果などと比べると全般に高った。その理由は,全ての家において開放型の器具である石油ファンヒーターが使われていたこと,また,1軒を除いては,豆炭こたつが使われていたためと思われる。また,住宅内の温度は7〜13℃程度であり,極めて低くなっていた。このため,対象者の着衣量は,全体に多めで,室内の低さを着衣量で補っていた。但し,対象とした高齢者の血圧は,全般に平常の範囲であったが,最高,最低血圧に,それぞれ一例づつの高血圧の対象者がみられた。心拍数,各部体温は,ほぼ通常の範囲内であった。
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