本研究は,冷房条件が夏期の睡眠に及ぼす影響を心理・生理反応から評価した。実験は,足利工業大学に設置された人工気候室内で2001年〜2002年の夏に実施し,各々4名の健康な若年男子を被験者とした。2001年の実験における冷房条件は,パターン1:入眠後2時間のみ26℃に冷房し,その後30℃で一定,パターン2:睡眠中28℃で一定,パターン3:30℃で一定とした。2002年の実験では,室温を28℃と一定にし,湿度を40%,60%,80%に制御した。睡眠中の脳波,心電,直腸温,皮膚温を連続して記録し,睡眠中の体重減少量も測定した。また,起床直後にOSA睡眠調査票により主観申告を得た。その結果から,室温を28℃で一定とし,入眠初期時は40%,その後は60%で制御する温熱条件が最適であることが示唆された。