人間と生活環境
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倉俣史朗のインテリアデザインにおける空間創造手法 : インテリア・シェルターにおける離隔要因と多重性
加藤 和雄堀越 哲美
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2012 年 19 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

本論文の目的は,倉俣史朗によって設計された42の商業室内空間に対して,インテリア・シェルターの概念を用いて,空間的特徴と空間創造手法の特性を明らかにすることである。インテリア・シェルターは,元の構造体から離れて構成された床,壁,天井として定義している。インテリア・シェルターと原室内空間との距離を平面・断面図から読み取り,分析した。調査した42の作品は,K-J方法によって13のグループに分類された。作品の特性は1976年を境に変化した。この後,曲面の空間や,自由な空間構成が多くなり,光と多重壁等による主体的表現が内部空間の中央に展開された。これに対して,周囲部の空間は消去的な表現として扱われた。これによって,倉俣の後期の作品において,中央部の浮遊感がよリ明確化された。

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© 2012 人間-生活環境系学会
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