抄録
マイクロバブル性状が入浴による温熱効果と入浴イメージに与える影響を明らかにするため,20代の健康な男性9名を対象に10分間の入浴実験を行った。さら湯入浴,間欠運転する高濃度で小粒径のマイクロバブル入浴,常時運転の低濃度でやや大きい粒径のマイクロバブル入浴,間欠運転の低濃度でやや大きい粒径のマイクロバブル入浴の4条件を設定した。マイクロバブル入浴の温熱効果は,濃度や循環流量に左右され,さら湯入浴より高くなることもあれば,同等になることがわかった。高濃度マイクロバブル入浴は,皮膚表面に空気層が形成され穏やかな生理的変化をもたらすため,湯の質感がマイルドと印象づけられ,交感神経活動は抑制されリラックスすることが示唆された。一方,低濃度マイクロバブル入浴は,湯の質感がハードと印象づけられたが,温熱効果は湯の対流と温度が直に作用しやすいため,最も高くなることが明らかとなった。