抄録
本研究は、硬さと組み合わせの異なるウレタンフォーム複層クッション材を18種類用いて、心理評価実験と圧縮試験を行い、クッション材の座り心地評価の新たな指標化を試みた。心理評価実験ではSD法を用いて、健康な男女の計16名の被験者に11項目の心理評価を依頼した。圧縮試験は沈下深さを3段階に設定し、それぞれの応力度・弾性係数・ヒステリシスを測定した。これまで一義的にしか捉えてなかった弾性特性を、沈下深さを20mm毎の帯域に分けることで、クッション材の変形量を考慮して求めることができた。弾性特性と7種類の主観的な評価の間で強い相関が見いだされた。心理評価実験と弾性特性の結果から、重回帰分析により、応力度・弾性係数・ヒステリシスを説明変数とした座り心地予測のための、重回帰式を導出した。