現代において,電力等の消費エネルギーをおさえることは重要な課題であり,都市,建築環境においても新たな思考を取り入れ,自然環境への配慮が必要となっている。この環境調整を意図したダブルスキン壁は,都市景観としても重要な一部と考えられ,人に与える印象は大きく,環境条件や構法,効果によって形態も異なり多様化する。この建築ファサードデザインが与える印象を実験により求めて分析し,ファサードデザインの平面的,曲面的,突出的,均一的,可変的,多様的6の意匠的要素分類の下で,建築デザイン系,建築材料メーカー系,学生の3属性別に因子分析を行った結果, 3属性とも3因子が抽出された。因子の特徴は,「安定性-変動性」,「軽快性-堅牢性」の2因子が3属性で共通して抽出され,建築デザイン系では「装飾性-機能性」,建築材料メーカー系では「装飾性-単純性」,学生では「開放性-閉鎖性」の3因子が各属性固有の因子特性として見いだされ, 9つの特性を抽出することができた。またダブルスキンの特徴として建築デザイン系では,機能面を重視し個性的と捉え,建築材料メーカー系では美しく個性的と捉えており,学生では躍動的で安定感があるとの結果が得ることができた。これらの印象評価から,ダブルスキンデザインのための有意義な手法論が得られたと言える。