要旨 : 体操服の材料となる色のみの異なる7種のポリエステルの日射吸収率, 反射率, 透過率を測定した. 白生地の日射透過率は黒のそれより大きい. 衣服による面積増加を考慮して皮膚と着衣間の多重放射を考慮した伝熱モデル式を提案した. 熱収支に基づき全身の着衣の日射吸収率, 皮膚の日射吸収率を得る部位の重み係数を導いた. 提案した解析モデルに基づき, 色のみの異なる同一のポリエステルで縫製された体操服を着用した場合の日射の影響を含む作用温度を計算した. 淡色の体操服着用時には濃色の体操服着用時と比べて反射日射が大きくなるものの皮膚で吸収する日射も大きくなる. 結果として, 体操服の生地の色は作用温度にほとんど影響しない. 既存計算法による日射下での作用温度と比較したところ, 日射の評価方法および着衣の分布の考慮の仕方が得られる作用温度に大きく影響を及ぼすことが分かった.