中国大都市圏の北京と上海の市民にアンケートを行い、室内植物の設置の有無と利用の状況および住宅の環境を把握し、それらと設置者・非設置者による室内植物に対する評価との関係を分析した。設置者は非設置者よりも、室内に植物があると快適性や雰囲気が向上すると実感し、さらにこれらの評価は、室内植物に関心を持つ場合に高くなった。また、非設置者も、設置することの効果に期待を示した。一方、設置者への調査で、住宅の音環境と住宅周辺の緑環境が住宅室内の植物に対する評価に影響を及ぼすことも明らかにした。室内の快適性と雰囲気及び満足度の評価が高い住宅では、設置された植物の種類数および植物が置かれている部屋数や設置方法の種類数も多い傾向が見られた。得られた結果を分析し、住宅内での植物利用の今後のあり方を考察した。