抄録
地盤内水分がコンクリート壁体を通じて室空気へ移動することによって、室空気が冬期に高湿化し、窓面
結露が生じている無人の半地下型の住戸を対象として、地盤内水分の影響を考慮した熱水分移動の計算モデルを
用いて、冬期の換気促進、地下外壁の内断湿が対象室の湿度に及ぼす影響を示した。11 月から 2 月まで換気回数
を 1.0(回/h)に増すと、対象室の冬期の窓面結露は生じない。また、地下外壁の内断湿を行うことによって、地
盤から室空気への水分の移動を遮断し、対象室の冬期の相対湿度を 20%低下させることができる。換気回数 1.0(回
/h)の室でこの対策を行った場合にも、壁表面の夏型結露のリスクの増加は許容でき、なおかつ壁表面の夏型結
露のリスクの増加は許容範囲内であることが確認された。