抄録
現在、講義室内の温熱環境は学生や教員の健康や学習効率への影響が示唆されている。そのため、室内温
熱環境が学習に及ぼす影響について数多くの研究がされている。さらに近年、大学では授業時間の拡大に伴い、
講義室の利用時間・滞在時間が長くなっていることから、学習環境の重要性はさらに高まっていると考えられる。
本研究では、講義中の大規模講義室内の温熱環境を評価することを目的として、講義室及び教員と学生を想定し
た人型発熱体の 3D モデルを作成し、数値流体解析を行った。その結果、居住域の平均温度を 24.0℃になるよう
に空調を行った場合、PMV は概ね±0.5 の範囲に収まるが、空調機からの風によって快適範囲を下回る場合があ
ることを示した。また、発熱体の左右で PMV を算出した結果、左右で異なる傾向を示し、片側が快適範囲に収ま
らない場合があることを示した。