抄録
近年、睡眠の質が認知パフォーマンスに及ぼす影響に注目が集まっている。本研究の目的は、健康な青年学生において客観的な睡眠の質の変数である睡眠時間と脳の反応との関係を調べることである。日常生活の中で睡眠時にアクチグラフを使用して睡眠時間を決定した。翌日大学に登校し、実験室で 事象関連電位P300 を測定した。夏と冬に実施し、インドネシア人学生と日本人学生を比較するとともに,ピアソンの相関分析を実施した。夏にはインドネシア人学生の方が日本人学生よりも睡眠時間が短く,冬には有意な差を認めなかった。 夏の間の睡眠時間が短いため、インドネシア人学生のP300 の反応の大きさ‹ポテンシャル›は日本人に比べ小さく、P300の潜時は日本人よりも長かった。 結論として、睡眠時間は脳反応のP300 潜時に関連していることを示した。