抄録
本研究は,冬期の入浴方法と就寝までの時間が睡眠に与える影響について調査し,室内温熱環境と睡眠との関連について検討した。対象者は20代男子学生10名,女子学生11名の計21名であった。実験は対象者の自宅で行い,入浴を39℃と42℃,入浴から就寝までの時間を30分と90分,睡眠中の寝室環境を加えた4条件で行った。寝室環境については睡眠中にエアコンの暖房を稼働させる条件と1hタイマー稼働の条件,暖房を使用しない成り行き条件を組み合わせた。結果,男女差がみられ,男性は入浴温度が高いほど寝付きが良くなり,良い睡眠と関連していた。女性はエアコンの暖房使用条件で入眠潜時が短かったことから,入浴温度より暖房の影響が大きいことが示唆された。